プレの木がここに御神木として立っているのには、いろいろなプロセスをげて、今の形になっているのだけど、最初から形があったわけではないのです。
知足さん
最初は、そのだいぶ前、知足院美香子さんという彫刻家の方から、『初女さん』という彫刻作品を寄贈していただ来ました。
この初女さんの彫刻は、彼女のかなりの力作であり自分のおいたちである「九州祖母山の山伏の家系」という精神性から生み出されたテーマでした。
彼女のお父様が、祖母山で最後まで山伏をされていた方で祖母山でその伝統を守っておられました。
彼女はお母様と山を降りられて暮らしていたのですが、今も九州大学の教授として彫刻家として、社会的な活動もされています。
初女さん
初女さんは、青森県で「森のイスキヤ」という修道院を経営するキリスト教徒の方です。初女さんは、そこを訪れてくる精神や体に不調のある方々に、おにぎりを出されていて、不思議とそういう方々が自然に治って帰っていくという話を聞いてました。
吉備神社の釜の火を守っている女性
この作品のモデルのもう1人は、岡山県の桃太郎のお話で有名な吉備神社で、ずーっと釜の火を守っているという女性神官がモデルだということです。
このかたはもう亡くなったのですが、もう日本の吉備神社では1000年以上ですか?釜の火なので、鉄を精錬したり、鍛冶屋的な何かを守っていたのでしょうか?その方が亡くなったと聞いて、そこに一度行こうと吉備神社にお電話したことがありましたが、女の神主さんはいません、というつれないご返事が戻ってきました。
知足院さんはそこに、明治以降、滅んでいった日本の山伏と同じような運命を見たのかもしれません。
彼女も同じようなポジションにある、その神官の娘さんからお母様がお亡くなりになられたという手紙をいただいていました。
ですので、この作品は、初女さんのその社会に声するという精神と、吉備神社の女性神主のスピリチュアルな火を守り続けている精神が合体したものです。
その日本の精神が、バリに一つの形として鎮座しているというのは、とても興味深いことのように思えます。
そして、その精神を繋げてください、と言われているような気もします。
その精神の安住の地として、バリが選ばれているのは、ここにも同じような物語があるからの様な気がします。
古来からの日本の精神が行き着くところは、とてもグローバルに世界につながる精神だあるとも思います。
「ロンタル」ークナンクナンー
そして、このプレーの木がここに御神木として立っているお話は、その彫像をどこに置いたらいいかと思い考えていたある日に、隣のお坊さんにどこに置いたらいいかと、話をし、バリの聖典である特殊な「クナンクナン』のロンタルをよんでもらったところから始まりました。
まずは、クナンクナンというのは、バリの聖典の中でも、占いに属するロンタルです。
バリには歴史、哲学、建築、治療法、薬、文字、儀式の方法など、たくさんの種類の聖典「ロンタル」が存在しますが、各専門家やお坊さんの家などに保存してあって、それが全部揃っている図書館みたいなところにはなくて、その専門書をであるロンタルを持っている方の家に訪ねて行って、弟子となってお勉強するということが昔からおこなわれていました。
オランダが植民地時代たくさんロンタル自国へ持ち帰ってライデン大学で研究しておりますが、その真髄は実践科学なので学び切れるものではなく、バリの叡知はまだまだバリの在家の中にあるといえます。
建築から医学、薬学、宗教、歴史、占星術、全ての学問がバリの科学で書かれていて、その智慧はとても深く広く、一つの大宇宙を構成してます。
その中でも、スマイルさんの実家「grya Bandesa Manik Mas」とともに一緒に守ってきた聖典の一つがクナンクナンです。
そのクナンクナンはとても不思議なロンタルで、アガティスアの葉というものがあって、その葉っぱに世界の全ての人のことがそれぞれ書かれているとして、インドで有名になりましたが、その本版です。本というより、インターネットに近いかもしれません。
インターネットの技術と全く同じなので、Googleの検索エンジンに当たるといえます。占いするお坊さんは、ユーザーです。バリの先人は技術者としてそのエンジンを作ったのですがから、なんともすごい技術者です。
アカシックレコード(宇宙の記憶層)から、情報を読み取ってきて、そのロンタルに文字が写しださます。お坊さんはそれを読むだけで、お尋ねしたい人が質問した回答を読むだけです。
そのロンタルは、聞くことによって毎回勝手に文字が変わるというのですから、すごい技術だなーと思ってしまします。
全くインターネットの技術を利用するパソコンみたいなものです。
そのロンタルは、それを書き写すことで、同じものを作れるということですから、スマホもできるということです。本物は家に置いておいて、書き写したものを持っていけば携帯もできるので、便利です。(笑)
ただ、蔭梧や古代からの言葉で出てくることもあるので、それを読むお坊さんの教養の深さや人間性も試されるところであります。しかし、それは占いはなんでも同じだと思います。
そのロンタルに、この彫刻はどこに置いたらいいか聞いてもらいました。
〜続く
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